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結核ってどんな病気?

1.結核って昔の病気?

昔は不治の病と恐れられていましたが、今では薬の投与で「解決済みの病気」と、巷では言われてきました。
しかし今でも毎年2万人の患者が発生し、2千人近くの人が亡くなっている国内最大の感染症です。日本の結核罹患率は、平成26年で15.4人/人口10万人と、未だに中蔓延国に属する状態です。
結核患者の高齢化に加えて外国出生の新規患者が1千人を超えて増加傾向にあり、それに加えて日本国内の結核罹患率に地域差が存在し、大都市圏で高い傾向があります。
日本の結核患者の特徴として、患者の高齢化が進行していること、大都市圏への集中傾向、糖尿病等の合併症の増加、外国出生者の増加、路上生活者等の貧困層への患者集中が挙げられます。
今後人口減少社会に移行する過程で、著しい増加が懸念されるのが、途上国から観光、就労もしくは学業目的で来日する若年層からの結核発生です。
結核菌は、感染症法の「四種病原体」に分類される桿菌で、一般環境に存在する非結核性抗酸菌間で約3万5千年前にDNAの水平移動が起こり、人類にのみ特化して感染する結核菌に変化したと考えられています。菌の分裂速度が遅く(12~24時間/回)、厚い細胞壁を有し、移動能力の無い好気性菌です。

 

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2.結核はどの様にしてうつるの?

結核菌は、飛沫(くしゃみや咳などで飛び散る飛沫)、あるいは空気感染する病原体で、細胞内寄生菌に属し、マクロファージに呑食されても分解殺菌を逃れる機構を有しています。

 

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3.結核に感染すると、必ず結核になるの?

感染成立後に発症するのは約10%で、その内の80%程度は、感染後2年以内に発症し、感染しても発症しない菌は休眠状態となり、潜在性結核感染症状態になります。

 

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4.結核に感染すると、すぐに発症するの?

結核菌は細胞分裂速度が遅く、結核に感染してから発症するまでに、かなり時間が掛かります。
結核を発症する人の50%は概ね6ヶ月~1年の間に、約80%は2年以内に発症します。
また、その後の発症の危険性は無くなることはなく、長期間経過し免疫力が落ちて発症することもあります。

 

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5.どの様な人が、結核になりやすいの?

結核は抵抗力の弱い人が発症しやすい病気です。抵抗力の弱い人は、生物学的弱者と社会的弱者に分類され、生物学的弱者とは、典型例として、糖尿病患者、透析、副腎皮質steroidを服用している方、又は大手術を受けた後、更にHIV感染した人です。社会的弱者としては、住居や栄養などに恵まれないホームレスや、都市のスラム住居者が、挙げられます。

 

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6.結核になると、どの様な症状がでるの?

結核に特異的な症状は無く、咳、痰、血痰、呼吸困難、胸痛、発熱、寝汗、体重減少などがありますが、他の呼吸器疾患でも同様な症状を呈する為、鑑別は出来ません。
2週間以上の咳や痰が続く場合や、血痰、呼吸困難、胸痛などがあれば、胸部XPを撮影し、診断される場合が多いです。

 

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7.結核の検査には、どの様なものがあるの?

結核感染を調べるため、以前はツベルクリン反応(PPD)を用いていましたが、最近では結核菌特異抗原であるESAT-6とCFP-10で感作T細胞を刺激し、産生されたINFγを測定して感染の有無を調べるINFγ-release-assay(IGRA)が用いられています。
IGRAには、ELISA法によるQFTと、ELISpotを用いるT-SPOTがあり、結核感染と発症をより正確に評価出来る様になりました。
今後潜在性結核感染の検出や、肺外結核症の補助診断に、威力を発揮するでしょう。
また肺結核の確定診断に従来から用いられて来た痰検査ですが、塗沫検査では蛍光法、培養検査では液体培地(MIGIT)が一般化しており、従来法より検査結果の到着に要する時間の短縮化が進んでいます。
結核菌遺伝子同定検査では、従来のPCRに加えて、日本の栄研化学が開発したLAMP法が、そしてインミュノクロマトグラフィーを用いたキャピリアTBが開発され、20分程度で診断を得られる時代となっています。

 

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8.結核の発症を防ぐには、どの様な方法があるの?

結核菌に対するワクチンに相当するBCGは、ウシ型結核菌の弱毒株を使用した生ワクチンですが、結核性髄膜炎や粟粒結核を中心とする乳幼児結核の減少効果は認められるものの、成人肺結核の発症予防効果が実証されていない事を鑑み、2003年4月より生後6ヶ月までにBCG直接接種を行い、小中学校でのツベルクリン反応とBCG追加接種を廃止することとなりました。
IGRA検査の導入により、潜在性結核感染症の診断が可能になったこともあり、2007(平成19)年の結核予防法の廃止と感染症法への移行にあわせて、抗結核剤の予防投薬の年齢制限が撤廃されました。
発症後治療から発症予防治療へと、パラダイムシフトが起こりつつあります。

 

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9.予防投薬って何?

結核に感染し発症する前の段階で、発症のリスクを低下させるため、イスコチン(INH)を6ヶ月間服用させ、予防投薬する場面が増えてきています。
毎日確実に6ヶ月間服用服用した場合、結核の発症を約70%抑制でき、その効力は10年間以上維持されると言われていますが、不規則不確実投薬を行った場合、効力が落ちて耐性菌を誘発することがあり、また、まれに副作用として肝障害を誘発ことがあるため注意が必要です。

 

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10.結核の治療は、どの様になっているの?

2009年2月から平成21年度厚生労働省告示第16号により、結核医療の基準が全面改訂され、これに初回標準治療として、4剤の6ヶ月間投与と3剤の9ヶ月間投与が表示されました。
世界的基準では、4剤の6ヶ月間投与が推奨されています。喀痰塗沫陽性の場合、社会防衛目的で隔離入院となりますが、医療費は全額公費負担となります。
一定の条件を満たすと、5%自己負担への移行と共に隔離入院解除となります。

 

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11.日常生活で気をつける事はあるの?

TPP等の多国間経済連携協定の締結に伴い、多数の外国人との共生を迎える時代となっています。これに伴い従来日本国内では確認されなかった、若しくは制圧済みと見なされていた疾患に遭遇する場面が増えることが、予想されます。結核は、その中でも最も重要度の高い疾患であり、医療的安全保障を維持する観点を念頭に置いて、就労現場や介護現場での留意を怠ってはならいないと、考えられます。

 

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12.結核についての相談は?

一般的知識に関しては、各種自治体のインターネット上のホームページ、若しくは結核予防会のホームページを御参照下さい。詳細はご自身の住民票を管轄する自治体の保健予防課に連絡を御願いします。

 

 

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