応援メッセージ

2015.06.12

中村記念病院 中村万理 先生

私が学んだ大学は、女子学生の割合が50%に近く、性差を感じることがあまりありませんでした。進路を考えた時も、実家で診療するときに外科的スキルがあった方が良いだろうと、気楽に消化器外科を選びました。

男性医師がほとんどだった金沢大学第二外科に入局して、男性並みの仕事をしなくては、という気持ちと体力にズレがあることに気付きました。四苦八苦していた私を周囲の先生が色々とサポートしてくださって研修医時代は修了しました。その後、乳腺外科に配属され、仕事をさせていただきました。

医師になって8年目に子供を授かりました。色々な道を考えましたが、子供を抱えてこのまま大学にいても外科医として満足な仕事は難しいと、実家の病院に勤務し、両親のサポートを受けて子育てをすることを選択しました。

妊娠初期は大学にいましたが、医局の男性医師の負担を変えないように、直属の上司だけに妊娠を伝えて当直バイトなどは通常通りやってきました。実家に帰ってからは、当直は免除してもらい出産直前まで短時間勤務をし、出産後は二週間で短時間勤務に復帰しました。幼稚園に入るまでは、外来の担当日を少なくしました。現在は、フルタイムで勤務し、訪問診療や入院管理もしています。

実家に勤務したので、このような我儘を通せたのだと思います。また、大学の医局の先生方にも外来や当直をサポートしていただき大変な時期を越える事が出来ました。

これまでの自分の経験を踏まえ、ワークライフバランスというものを考えるようになりました。そして子育てや介護で働き方を変化させることに柔軟に対応できる組織作りを意識するようになりました。

在、医師に限らず、当院の職員に対して多様な勤務体制の整備を進めています。仕事を完全に休職するのではなく、短時間でも働く事で仕事の勘を保つことが出来ると考えているからです。小さい病院であるがゆえに、仕事を短時間に完了できるので、業務を残すこともありません。

もしこれから妊娠出産を考えている方や介護を必要とする家族がいる方には、このような短時間勤務が出来る病院があることを知っていただきたいと思います。

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