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会長のあいさつ
5期目に向けて
一昨年末、中国の武漢で発見され全世界に拡散した新型コロナウイルス感染症との戦いがまだ続く中、国は東京オリンピック・パラリンピックの開催を模索しています。新型コロナウイルスワクチン接種が感染収束への決め手であり、オリンピック開催を可能にするために短期間での接種に邁進しています。4期目の大半は新型コロナ感染症との戦いに忙殺されましたが、少なくとも感染の終息は国民の安心安全のためですので我々医療人はこれからも最大限の努力を続けねばなりません。
新型コロナウイルス感染症による医療のひっ迫状況を経験したことではっきりしたことがあります。過去には医療亡国論なるものがこの国で叫ばれ、医療ほど無駄の多い分野はない、市場原理を導入すれば効率よく無駄を省けるとの趣旨でした。そのため、様々な医療費の削減策が行われてきました。中でも人口減少を見据えた2次医療圏内での病床の再編・削減、人員の整理などを進める地域医療構想が推進されてきました。治療法が確立していない今回のような新興感染症の急速な拡大が起こると、病床は急には確保できない、また病床は何とか確保できても、人工呼吸器は購入できても、それを管理できる人材はすぐに養成できないという事態に直面しました。医療体制の安全と安心を担保するには少し余裕が必要です。今後も新興感染症の勃発に備えなければならないとすればどのような方策がよいのか早急に検討するべきです。
さて、5期目の抱負は新会館建設です。現在の進捗状況は基本設計が始まったところです。今年中には最終的な図面ができる予定です。随時、進捗状況を会報上でお知らせしてまいります。令和5年度内での完成を目指しております。アフターコロナ時代に相応しく、また長期間の使用に応える会館にしたいと考えております。楽しみにしていただければと思います。
まだまだ、医療を取り巻く状況は困難が続いていますが、医師としての矜持を胸に立ち向かわねばなりません。これからも県医師会の事業運営に特段のご理解とご協力をお願いいたします。
2021年6月 公益社団法人富山県医師会
会長 馬瀬 大助