職業生活における健康管理の重要牲についてはいうまでもないことですが、最近における労働者の健康をめぐる状況をみてみますと、労働力人口の高齢化を背景に、脳・心臓疾患等の成人病につながる所見を有する労働者が増加しており、一般健康診断の結果では、これらの者を含め、労働者の三人に一人が何らかの所見を有する状況にあります。
なかでも、特に中小規模の事業場において有所見者の割含が高い状況にあります。
また、産業構造の変化や技術革新の進展等に伴う労働の態様の変化により職場生活において疲労やストレスを感じる労働者が増加しているほか、「過労死」が社会的にも大きな間題となっており、その予防のため総合的な対策を講じる必要があります。
今回の法律改正は、このような状況に対応し、すべての労働者が職業生活の全期間を通じて健康で安心して働けるよう、労働者の健康の確保のための施策を図るため、中央労働基準審議会の建議を踏まえて行われたものです。
今回の法律改正では、労働衛生管理体制の充実として、労働者の健康管埋の専門スタッフとしての産業医の専門性の確保と産業医から事業者に対する勧告権の付与及び産業医の選任を要しない事業場における労働者の健康管理等に対する事業者の努力義務とこれに対する国の援助について定められています。
また、労働者の健康管理の充実として、事業者が有所見者について、健康診断の結果に基づき、労働者の健康を保持するために必要な措置について医師からの意見聴取を行うこと、事業者から労働者へ一般健康診断の結果の通知を行うこと及びこの結果の通知や事業者が必要に応じて行う医師等による保健指導を活用することにより、労働者自身も健康保持に努めることが定められております。